- 10種類の所得の計算:得た所得を「10種類」に分類し必要経費を差し引いて所得を計算
- ①損益通算:一定の所得の赤字をその他の所得の黒字と差し引き
- ②前年からの赤字を繰越控除:一定の場合損益通算しても引ききれない損失は、翌年以降3年間に渡り繰り越せる
- 所得を合算:総合課税と分離課税の所得に分ける
- 所得控除を差し引く:担税力やその年の支出状況などによって税額を調整する
- 税率を適用:総合課税される総所得金額には超過累進税率を、分離課税される所得にはそれぞれの税率を適用
- 税額控除を差し引く:算出された税額から税額控除を差し引く
10種類の所得[給与所得・一時所得・退職所得・山林所得・雑所得]
こちらでは、10種類の所得のうちの[給与所得・一時所得・雑所得・退職所得・山林所得]をまとめます。
[利子所得・配当所得・事業所得・不動産所得・譲渡所得]についてはこちらをご覧ください。
FP3級試験にでる!所得税の10種類。利子所得・配当所得・事業所得・不動産所得・譲渡所得 | 独学合格!FP3級
10種類の所得 所得の種類は10種類に区分することができます。まずは関連する用語を整理しておきましょう。…
給与所得
給与、賃金、賞与などは給与所得です。
計算方法 | 給与所得=給与等の収入金額ー給与所得控除額 |
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給与所得控除額については計算式は覚える必要はありませんが最低65万円 収入1,000万円超は220万円と覚えておきましょう。 | |
課税方法 | ほかの所得と合算する総合課税 |
- 非課税になるもの・・・
通勤手当(限度額は月額15万円まで)や出張費用など
- 【問題】給与所得の金額は、原則として、その年中の給与とうの収入金額から給与所得を控除した額である
・・・ - 【問題】給与所得者が通常の給与に加算して受ける通勤手当のうち、通常必要であると認められる部分の金額(電車・バス通勤者の場合は月額15万円が限度)は非課税所得に該当する。
・・・ - 【問題】所得税において、その年中の給与等の収入金額が65万円以下である場合、給与所得の金額は0(ゼロ)となる。
・・・ - 【問題】平成30年分の給与所得の金額の計算において、給与等の収入金額が〇〇を超える場合、給与所得控除額は上限である220万円が適用される。
1000万円・・・
1200万円・・・
1500万円・・・
一時所得
営利目的でない一時的な所得で、他の所得に該当しない所得は一時所得です。
- 懸賞・福引・クイズの賞金
競馬・競輪などの払戻金
生命保険の満期保険金(保険料負担者と受取人が同じで一時金として満期保険金を受け取った場合)や損害保険の満期返戻金など - 宝くじの当選金やノーベル賞の賞金などは非課税
計算方法 | 一時所得=総収入金額ー収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円) |
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課税方法 | 一時所得の金額の1/2の金額をほかの所得と合算する総合課税 |
- 【問題】所得税における一時所得にかかる総収入金額が1000万円で、この収入を得るために支出した金額が600万円である場合、総所得金額に算入される金額は〇〇である。
175万円・・・
200万円・・・
350万円・・・
一時所得の金額=1000万円ー600万円ー50万円=350万円
総所得金額に算入される金額は、一時所得の金額の1/2なので350万円÷2=175万円
退職所得
退職時に一時に受け取る退職手当、一時恩給などが退職所得です。
計算方法 | 退職所得=(収入金額ー退職所得控除額*)×1/2 | |
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退職所得控除額は勤続年数によって計算方法が変わります。 勤続20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円) 勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数ー20年) |
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課税方法 | 分離課税(超過累進税率) | |
提出した場合 | 支払い時に源泉徴収される。 | |
提出しなかった場合 | 収入金額に対して一律税率[20.42%(所得税20%・復興特別所得税0.42%)]で源泉徴収される その後確定申告で差額を精算 |
- 【問題】給与所得者が34年9ヶ月間勤務した会社を定年退職し、退職金の支給を受けた。この場合、所得税の退職所得の金額を計算する際の所得控除額は〇〇となる
800万円+40万円×(35年-20年)=1400万円・・・
800万円+70万円×(34年-20年)=1780万円・・・
800万円+70万円×(35年-20年)=1850万円・・・
勤続年数に1年未満の端数が生じる場合、切り上げで計算(34年9ヶ月=35年) - 【問題】退職手当等の支払いを受ける居住者がその支払いを受ける時までに「退職所得需給に関する申告書」を支払い者に提出している場合、その支払われる退職手当等の金額に20.42%の税率を常時た金額に相当する所得税および復興特別所得税が源泉徴収される
・・・
提出している場合は適正な税率が源泉徴収されるので確定申告は不要。提出していない場合は一律20.42%となる
山林所得
山林を伐採したり譲渡して得た所得は、山林所得です。
計算方法 | 山林所得=総収入金額ー必要経費ー特別控除額(最高50万円) |
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課税方法 | 分離課税(五分五乗方式で計算) |
雑所得
ほかの所得にあてはまらない所得は、雑所得になります。
- 公的年金等の雑所得・・・
国民年金・厚生年金などの公的年金や国民年金基金、厚生年金基金、確定拠出年金などの年金 - 公的年金等以外の雑所得・・・
生命保険などの個人年金保険や講演料、作家以外の原稿料など
計算方法 | [A]公的年金等の所得=公的年金等の収入金額ー公的年金等控除額 [B]公的年金等以外の所得=公的年金等以外の収入金額ー必要経費 雑所得=[A]+[B] |
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課税方法 | 総合課税 |
- 遺族年金・障害年金は非課税
- 【問題】公的年金等にかかる雑所得の金額は、「(その年中の公的年金等の収入金額ー公的年金等控除)×1/2」の算式により計算される。
・・・
1/2はする必要ありません。